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赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいるときは、胎盤を通して病原体と戦うための「免疫グロブリン」という物質をもらっています。
生まれてすぐも母乳から豊富な免疫物質をもらって、病原体やバイ菌から赤ちゃんは守られています。
でも、お母さんからもらった免疫は生後6ヶ月ほどでなくなってしまいます。そこからは自分の体で自分の身を守る免疫力をつけていかなくてはなりません。新型コロナが5類に引き下げられて2カ月… 子どもたちの間ではさまざまな感染症が拡大傾向にあります。
6月、都内ではヘルパンギーナの流行が警報基準を超え、「流行警報」が出されました。ワクチンのある感染症は、予防接種によって感染を予防したり重症化のリスクを減らすことができますが、生活の中ですべてのウイルスやバイ菌を避けることは困難です。
乳幼児期にはさまざまな感染症にかかります。こうした感染経験をくり返し、子どもは免疫力をつけながら成長していきます。乳幼児が夏にかかりやすい感染症にはどんなものがあるのでしょうか。
その名の通り、のどの痛み(咽頭炎)、目の充血(結膜炎)、発熱が主な症状です。
5~7日の潜伏期間の後、38~40度の高熱が1週間ほど続き、のどの腫れや痛み、目やにや充血などの結膜炎の症状も見られます。咳やくしゃみなどの飛沫感染や感染者との接触による感染、タオルなどの共用による感染、また塩素濃度が不十分で、アデノウイルスに汚染されたプールの水からも感染するため、プール熱とも呼ばれています。
2~4日の潜伏期間の後、38~40度の発熱によって発症し、のどの奥に小さな水疱が出現します。
のどの痛みが強いため、食事や水分が十分に摂れなくなり、脱水症状を起こすこともあります。熱は2~4日で下がり、水疱も1週間程度で治ります。
咳やくしゃみなどの飛沫感染、手指を介しての接触感染の他に、便からも1ヶ月ほどウイルスが排出されます。
おむつ替えやトイレの後にはしっかり手洗いをしましょう。
3~6日の潜伏期間の後、38度前後の発熱がありますが、発熱しない場合もあります。
手足口病という名のとおり、口の中、手のひら、足の裏などに水疱性の発疹が現れます。口の中の発疹は頬や唇の内側、舌にも見られます。口当たりがよく柔らかで、刺激の少ない薄味の食事にすると食べやすいでしょう。
他の夏風邪と同様で、飛沫感染、接触感染、経口感染によって人から人に感染します。
虫刺されやあせも、アトピー性皮膚炎などでかき壊してできた小さな傷に細菌が入り込み、かきむしった手を介して水疱があっという間に全身にひろがります。
他の夏風邪と同様で、飛沫感染、接触感染、経口感染によって人から人に感染します。
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※夏の感染症の予防には、子どもも親も手洗いをしっかりすることです。トイレの後やおむつ交換をした後はとくに念入りに。
※子どもには十分な睡眠と栄養をとらせ、夏の暑さに負けない体力をつけましょう。
※つめは短く切り、目・鼻・口をこすったりしないようにしましょう。
※夏休みに入っても規則正しい生活リズムで過ごしましょう。
八幡通り歯科マガジン 夏の感染症(乳幼児編)
on 2023年7月1日
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